花屋なんて、イメージとはかけ離れた体力勝負の仕事だから止めときなさい

昼下がりの午後に20代前半と思われる女の子が来店した。
どうやら求人のようです。

志望動機は花屋さんの独立開業を考えているとのこと。
ただし、女の子にも労働条件があって「土日祝日休みの週休2日で勉強がてら雇ってくれませんか?」というものです。

何の面識もない女の子が臆することなく平然とこんな条件で雇用してくれと来た、その行動力は買うけど、ちょっと条件がなめてるね(笑

もちろん花屋も客商売なので土日祝日は稼ぎ時な訳で、そんな条件では難しいと断りました。
しかし多少なりとも残念がるのかと思っていた女の子ですが、その表情はクールというかドライというか全く感情を出さずに一言だけ「分かりました」と至って冷静な感じで納得していました。

ここで話は終わる訳ですが、何というのかその意気込みというか決意というか本気でやりたいという気持ちはなかったのだろうか?

「冷めてるね、こんな時代なのか。
ジェネレーションギャツプを感じつにはいられない笑

そんな訳で今回は唐突ですが「花屋さんはこんな商売です」というお話です。

花屋さんと聞くと見た目綺麗でファンシーな商売をイメージする人は少なくはないと思いますが、実はこれイメージだけが先行してしまっているようで本当のところはかなり体力勝負のハードは職業です。

勘違いしてもらいたくはないのですが、僕は花屋さんはやりがいのある素敵な商売であると自負しています。
基本的には花、花屋に興味を持ってもらい花屋さんになりたいという人が増えることを望んでいますが、今回はあえて見た目やあこがれだけで安易に花屋さんを目指すとあとあと後悔しますよという話で進めていますw(゚o゚)w オオー!

Q) 花屋さんを開業するのに資格や保健所等の届け出は必要ですか?

A) はい!何の資格も必要ありません。また食べ物を扱う飲食店などと違い保健所等への届け出なども必要ありません。
強いて言うなら運転免許程度は必要ですね。
あ、絶対必要なものを忘れていました。
花屋は華やかな見た目とは裏腹にかなり重労働な仕事なので健康な体、強靭な体力は絶対不可欠です。

花屋さんは医師、弁護士や美容師のように資格がなければ出来ないという職業ではありません。医師や弁護士を引き合いに出すのもどうかと思いますが、とにかく開業するのに特別何かが必要になる事は一切ありません。

花屋に必要なのは強靭な体力!?イメージだけで判断すると必ず後悔する

仮にもし花屋さんになりたいなんて人がいたら夢を壊すような発言で申し訳ないのですが、花屋さんの上っ面な部分だけを見て「花屋さんになりたい」なんて考えているなら悪い事は言いません止めたほうが良いです。

参考までに以下は当たり前です。

  • ほぼ一日中立ちっぱなし
  • かなりの重量のものを持ち運びしなくてはいけない
  • 残業なんて当たり前
  • 真冬でも暖房の効いた暖かい部屋で作業することなんてほぼ皆無

思いっきり今流行りのブラックっていうやつですね。

ほぼ一日中立ちっぱなし

特に繁盛店ならあるあるですが、昼食時を除いて一日中ほぼ立ちっぱなしになります。

慣れないと結構キツイので、初めのうちは足が浮腫むこともあります。

かなりの重量のものを持ち運びしなくてはいけない

水を張った桶に花を入れると結構な重量になります。
特に輪菊などはかなり重いです。

これを店頭等に並べたりして持ち運ぶので結構な重労働です。

また良く開店祝などで使われるスタンド花はかなりの重さなのですが、これを3F4Fまで階段(エレベーターなし)で運ぶ場合があるのですが、これ男性でもかなりしんどいです。

残業なんて当たり前

急な仕事なんてあたり前でかなりの頻度で残業になります。

また物日(母の日や敬老の日など)と言われるイベントごとは年に数回あるのですが、この物日は花屋さんに取って書き入れ時となりますので、連日連夜の残業になる事が多いです。

真冬でも暖房の効いた暖かい部屋で作業することなんてほぼ皆無

気温が高いと花は咲き進みますので、当然暖かくしておくわけにはいきませんね。
ただ全く暖房器具を使っていないかと言われればそうでもなく足元を温める程度は利用しているところは多いと思います。

正直全く「暖」が無い状態は辛すぎます(’A`|||)
細かいことを言えばまだありますが、とりあえず思いついたものだけ書きだしてみました。

あ、あと花屋さんで働きたいなんて人は店頭での接客をイメージするでしょうが、経験がある人を除いてはすぐ店頭での接客なんてまずあり得ません。
入ってしばらくは配達及び花の水揚げ、メンテナンスがメインです( ̄‥ ̄)=3 フン

経験があってもそのお店の提供する商品レベルのものが作れないようなら店頭には立てないでしょうけど(゚ロ゚;)エェッ!?

花屋さんの仕事は地味な作業がメインです

花屋さんのメインの仕事はバックヤードなどで行う「水揚げ」と言われる地味な作業がメインで、この作業をマスター出来ない人は花屋さんとしてはやっていけません。

このバックヤードで行う作業は店頭に並べる前の大事な作業なのですが、これが意外と面倒で花によっては熱湯につけたり焼いたりしなくてはならないものもあります。

ここをしっかりと処理されていない花は日持ちが悪く綺麗に開花しないなどの障害が出ます。 MEMO水揚げとは
仮死状態の花の茎などを切り戻して水に入れて再び命(水)を吹き込む作業です。
店頭で花を売っていれば良いなどと軽い気持ちで来た人の大半はここでの作業に耐えられず止めて行く人が多いです。

逆にここでの作業をきちんと覚えて水揚げなどの知識も吸収してしまえば店頭に出た時にお客さんからの「この花どうやったら長持ちするの?」などの質問にも的確に答えられるようになります。

ここまで来て花屋さんへの第一歩を踏み出せることになります(゚▽゚)

資格より「スキル」「知識」「経験」

昔は誰でも花桶と包装紙、鋏があればすぐできるなんて言われていましたが、さすがに今は全く実務経験のない人や趣味でアレンジメント教室に通っていました程度の人ではかなり厳しいのが現状です。

中には全く知識も経験もない方もいるようですが、いざ始めるにしても最低限のスキルと知識、経験が無ければ店舗運営なんて成り立ちません。

何の資格も届け出も必要ないので始めるのは簡単ですが、継続して売上を作って行くのはかなり難しいです。

フラワー装飾技能士

あまり知られてはいませんが、花屋さんにも国家資格があるのをご存知でしょうか。
それは、都道府県職業能力開発協会が実施する「フラワー装飾技能士」という物です。「フラワー装飾技能士」は1級から3級まであり花屋さんの実務経験によって試験資格が得られます。

受験資格

1級実務経験7年以上、または2級取得後2年以上。
※職業能力開発校等の卒業者、修了者に関しては実務経験期間が緩和される場合があります。
2級実務経験2年以上
3級実務経験6ヶ月以上
※今は実務経験不要かも知れません。

試験内容

学科と実技試験です。

  1. 「実技試験」卓上花やブーケを制限時間内に規定通りに作ります。
  2. 「学科試験」フラワー装飾や植物に関する一般的なものです。

試験に合格すれば、晴れて「フラワー装飾技能士」の称号が与えられます。
※今現在、受験資格及び試験内容は若干変わっている可能性もあります。

他の資格

国家資格ではないけれど様々な団体で取れる資格があります。

公益社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)
フラワーデコレター協会(FDA)
プリザーブドフラワー全国協議会技能検定 (プリ検)
フューネラル・フラワー技能検定協会(AFFA)

などなどあります。

上記以外にも各団体で認定している資格は色々ありますので、興味があれば調べてみて下さい。
※受験資格などは各団体HPなどで要確認です。

だったら資格がなければ無理でしょう?

そう思われるのは至極当然なことですが、ちょっと違います。

お客さんによっては、あそこのお店は「フラワー装飾技能士」「フラワーデザイナー」の資格を持った人のお店という事でお花を購入される方もいるかも知れません。

でも本質的な部分でそれは違うと思います。
そりゃ、資格を持っていることに越した事はありませんが、それだけです。

「それだけです」は語弊があるかも知れませんが、求められるのは「スキル」「知識」「経験」と抽象的ですが少しばかりの「センス」です。

勘違いしていませんか?

たまに「どこぞのフラワーデザイナーです」見たいな方が作った花束なんかを見かける事がります。
作ってもらった人は「すごい素敵」「可愛い」などなど絶賛されていたのですが、それで本当に満足されているのでしょうか。

「花束」そのものより「有名デザイナーさんが作った」というある種ブランドに満足されていたということは無いのでしょうか?

すみません。それ変です!!

けれど、作ってもらった本人が納得しているのであれば、周りが口を挟む問題ではありませんが、「ブランドより花その物を見てもらいたいな」と考えている訳です。

資格を否定するつもりは全くありません

資格を取ると言う事は、自分自身のスキルアップにもつながりますので、チャレンジする事は多いに良い事だと思います。
ただ資格を取る事が最終目標ではないので、それに慢心することなく日々スキルアップを目指していく事の方が重要です。

資格を持っているだけでは商売成り立ちませんからね。

偉そうですが ∠( ˙-˙ )/極々当たり前のことです!

嘘のない商品を提供する

格云々の前に手抜きなしのしっかりと下処理した商品を提供することが出来るようになることが大事です。

買って頂いた花の水揚げが不十分で自宅に帰って活け変えたら花が下を向いてしまったなんてことになったら洒落ではすまないし、信用問題にも成りかねませんからね。

だからこそ、この手間暇かけた地味な作業大事になってきます。

お客さんの信用を得るには地味で的確な作業が必要ということですね。

あとがき

散々「キツイ商売ですよ」と書いてきたので「花屋はムリ」と言う人も出てくるかもしれませんが、花屋さんは老若男女問わず笑顔を見ることが出来る夢のある素敵な商売ですよ。

ちょっと自分で言っていて気恥ずかしいですが( ̄∇ ̄)エヘヘ

仕事なんて何やってもキツイことや嫌なことはつきものなので、少々の我慢と辛抱は必要ですね。
けれどキツイことや嫌なことの何倍も嬉しいことや楽しいことがいっぱいあるのが花屋さんだと信じているので花屋さんを目指す人は頑張ってくださいね。

Q) 花屋さんを開業するのに何が必要ですか?

A) 気合と根性と体力と・・あっ、とても大事なものを忘れていました。

それは「開業資金」です(و•o•)و<キッパリ!
オチが付いたところで終わりです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です